クッシュマン・アンド・ウェイクフィールド(C&W)は12月24日、最新レポート 「アジア太平洋地域のコールドストレージ物流」を発行した。
それによると、新型コロナウイルス(COVID-19)ワクチンが開発され、ワクチンを低温で保管する必要があることから、温度管理された物流の需要が高まるとしている。また、科学者がCOVID-19ワクチンは単発ではなく、効果を維持するためにインフルエンザワクチンのように年1回の接種が必要になるとの見方を示していることから、世界中でコールドストレージの需要は持続していくとしている。
そのほか、コールドストレージの需要を牽引する要素としては、世界の製薬会社が注力しているバイオ医薬品の保管・輸送や、温度に敏感なヘルスケア製品や食料品のECを挙げている。
また、コールドストレージの需要の高まりにあわせて冷蔵倉庫の賃料も増加し、賃料プレミアムが50~100%程度で推移すると見込んでいる。
アジア太平洋地域での需要についてはコールドストレージのストックが欧米諸国に比べて限定的であり、都市人口1人当たりの冷蔵貯蔵容量を米国並みにするためには既存ストックの2倍となる4億1100万m3の供給を追加する必要があるとしている。
これに対して、C&Wのクリスティン・リー シンガポール・東南アジアリサーチ統括部長は「現在、コールドストレージは、ニッチなセクターと見られているが、今後数年で変化し、主流のセクターへと変貌していくことが期待される。需要が供給を上回る可能性が高く、賃料上昇の可能性が高い」とコメントしている。
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