宮城県の自動車リサイクル会社「Mogee」の役員の男(48)が書類送検された。
男は、違法な量の火薬を含む発炎筒を保管したうえ、インターネットオークションで販売し、3年間で約24万円の売り上げを上げていた。
規定量の約7倍の火薬を貯蔵
自動車に備えつけられている発炎筒4000本以上を違法に保管した疑いで、宮城県の自動車リサイクル会社の役員が書類送検された。
この記事の画像(11枚)宮城県の自動車リサイクル会社「Mogee」の役員の男(48)は2023年9月、法律で認められている規定量の約7倍にあたる、344kgの火薬が入った発炎筒4460本を貯蔵した疑いが持たれている。
警視庁によると、この会社で解体する自動車から回収した発炎筒を、男がインターネットオークションで販売しており、約3年間で約24万円売り上げていたという。
このニュースについて、フジテレビ・上法玄解説委員がお伝えする。
── 今回、なぜ書類送検されることになったのだろうか?
大量の発炎筒の中身は火薬のため、思わぬ事故を引き起こす可能性もあり、危険だからだ。
25kgを超える発炎筒を保管する場合は届け出が必要で、届け出がなかったとして摘発された。こうした物が仮にテロリストの手に渡れば、爆薬の原料にもなり、とても危険だ。
ほかにも身近な物で爆薬の原料になるものとして、マニキュアの除光液や農薬などが挙げられる。
このような製品が大量に売買された場合に、捜査当局は、業者に対して積極的に情報提供してほしいと呼びかけており、製品の取引段階でテログループの動きが発覚するケースがある。
爆薬の原料を買う方法を指導
── そういった製品を、テロリストはどのように入手しようとしているのだろうか?
今大きなニュースになっている、半世紀前の連続企業爆破事件を起こした桐島聡容疑者が所属していたテログループも、世間から気づかれないよう、メンバーに爆薬の原料を買う方法を指導していたとされている。
── それは、どのような指導だったのだろうか?
このグループでは爆薬の原料となる除草剤を大量に手に入れるため、雑草がたくさん生える夏の農家で働くことをメンバーに勧めていた。
夏の農家なら除草剤を購入するのは自然なので、大量に買ったとしても怪しまれないと考えていたようだ。
いつの時代でも、テロリストは社会の監視の目の裏をかこうと必死だ。
それを見抜くため、捜査当局と民間業者が日頃のコミュニケーションを密にし、不審なことがあればすぐに情報が通報されるような、官民連携体制の構築がますます重要になっているといえる。
火薬は、安倍元首相殺害事件のような凶悪事件を起こしうる危険物だ。
孤独を感じながら、殺意や社会への反感を秘めた者がインターネットの中でさまざまな凶器の製造方法を知り、その原料を簡単に入手できる今、犯罪に及ぶまでには簡単なハードルしかない。
金目当ての今回の犯罪は、危険物の厳正な管理に対する反社会的な行為というしかない。
実質的な危険性があると、社会に警鐘を鳴らす意味からも、重罰に処す必要があるのではないだろうか。
(「イット!」 1月31日放送より)
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