不揮発性ストレージを接続するためのインタフェース規格「NVM Express」(NVMe)市場の成熟が進んでいる。NVMe準拠のストレージ(以下、NVMeストレージ)を導入した企業は新たなメリットを享受しており、NVMeストレージの用途も広がっている。前後編にわたり、こうした点について業界専門家の意見を紹介する。
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ここ数年でNVMe関連技術は大きく進化を遂げてきた。性能要求が厳しいアプリケーションに、NVMeストレージを利用する動きが活発化している。
NVMeに関する最近のトレンドは「NVMe over Fabrics」(NVMe-oF)の導入と、ストレージ要件の厳しいアプリケーションでのNVMeの利用増加の2つがある。
前者のNVMe-oFは、イーサネットやファイバーチャネル(FC)、InfiniBandといったインタフェース規格準拠の物理ネットワークを介した、サーバとストレージシステム間の接続をNVMeで高速化する。「Remote Direct Memory Access」(RDMA:他のコンピュータのメモリに直接アクセスする技術)といった技術を用いてデータを高速に転送する。NVMeのパフォーマンスとコスト効果をデータセンター全体に広げる。
後者は、AI(人工知能)技術など大量のデータを高速に処理する必要があるアプリケーションの間で、NVMeストレージの採用が進みつつある。NVMeストレージの未来に目を向けると、この2つのトレンドが重要な役割を果たすことになるだろう。
NVMe関連技術の動向を把握する際には、記憶媒体にフラッシュメモリを採用した「フラッシュストレージ」の動向を無視することはできない。IBMの研究員で、フラッシュストレージの最高技術責任者(CTO)を務めるアンディ・ウォールズ氏によると、大半のデータセンターは全ての容量をフラッシュメモリでまかなうストレージシステム「オールフラッシュアレイ」を既に導入しているか、導入や検討を進めているところだ。こうした動きは「サーバ仮想化やデータベース管理システム(DBMS)のような従来型のシステムに大きなメリットをもたらす」とウォールズ氏は語る。
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