Sunday, August 7, 2022

「利用者に意識させない」日立のストレージ技術者、SE経験で培った顧客第一主義 - ITpro

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 「何が起こっても正しいデータが存在するのは当たり前と思われている。裏には災害などでデータに問題が起こっても業務を継続できる仕組みがある。その際にストレージが役立つ」。日立製作所の野月麻衣氏は自分が携わる仕事の意義についてこう語る。

 野月氏は法人向けストレージの組み込みソフトウエアの設計・開発に携わる。ストレージの数ある機能のうち、データを二重化しておく「コピー機能」を担当する。

野月 麻衣(のづき まい)氏。1992年6月生まれ。2017年4月に日立製作所に入社。2019年4月から、同社デジタルシステム&サービスセクター サービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部 基盤ソフトウェア開発本部 ストレージシステム第1設計部 第4Gに所属(写真:木村 輝)

野月 麻衣(のづき まい)氏。1992年6月生まれ。2017年4月に日立製作所に入社。2019年4月から、同社デジタルシステム&サービスセクター サービス&プラットフォームビジネスユニット ITプロダクツ統括本部 基盤ソフトウェア開発本部 ストレージシステム第1設計部 第4Gに所属(写真:木村 輝)

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 地震や火災、システム障害などによって使用していたデータに問題が起こった場合、ストレージに保管しているバックアップデータに移行することで、事業者は混乱なく業務を継続できる。使用していたデータに問題が起こっても、「(サービスなどの)利用者に意識させないことが重要だ」(野月氏)。例えば銀行業務や株式取引といった金融系のサービスでデータの移行に伴ってシステムが止まることは、たとえわずかな時間でも許されない。

日立が手掛けるストレージ(画像提供:日立製作所)

日立が手掛けるストレージ(画像提供:日立製作所)

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 大学・大学院では情報科学分野を専攻し、数学など理論に近い部分を中心に、プログラミングやアルゴリズム、データベースなど、ITの基礎を幅広く学んだ。日立に入社した理由の1つは「プログラミングを生かした『ものづくり』をしたかったから」(野月氏)という。

システム開発のマネジメントで学んだ「顧客第一主義」

 入社して早々、試練に直面した。同社のIT系の開発職は野月氏が入社した2017年当時、入社1~2年目にシステムエンジニア(SE)の実習を受ける必要があった。野月氏は2017年10月から2019年3月までシステム開発のマネジメントに従事した。客先常駐なども経験しながら、開発チームと顧客との間に立って、日程や開発内容を調整する業務を担当した。

 顧客の要望やそれに必要な工数、期限内にシステムに組み込める項目などを総合的に検討する必要があり、頭を悩ませた。野月氏が当初出した提案は、顧客の意向とはかみ合わなかった。議論を重ねることで、顧客が求めているものへの理解が進んだ。「納期厳守というプレッシャーのなかで、顧客の本当の思いをくみ取れていなかった」(野月氏)と当時を振り返る。

 SEの経験を通じて「顧客にとって何が重要なのかを第一に考えなければならない」(野月氏)と学んだ。これが野月氏の職業人としての原点だ。

現在は在宅勤務が中心で、出社は月に3~4回ほどという(写真:木村 輝)

現在は在宅勤務が中心で、出社は月に3~4回ほどという(写真:木村 輝)

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