相互接続プロトコル「Compute Express Link」(CXL)は、メモリのリソース使用の最適化に重点を置いた技術だ。だがいったんCXLの採用が本格化すれば、その影響はストレージにも及ぶ。IT管理者は、CXLが主流になる時を見据えて、ストレージにどのような検討が必要になるのかを考えておいた方がよい。
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CXLによって、システムごとのメモリを確保する「メモリプール」の機能が応用可能になる。特に主要な用途になり得るのは、メモリを大量に使用するシステムに対して、より多くのメモリリソースを割り当てることだ。CXLでメモリプールを構成する場合、物理メモリに存在しないメモリ領域の参照があったときに発生する割り込み処理「ページフォールト」は起きない。これによって、タスクの実行中に入出力の処理を減らせる利点が見込める。ただしタスクが終了し、そのメモリ領域が別のタスクに再割り当てされたときに素早くデータを取り出すには、ストレージに大きな負担が掛かる可能性がある。
コストを上げず、処理速度といったシステムの動作性能を向上させることに、CXLは重点を置いている。メモリだけではなく、システムの他の部分も改善しなければ、システムの動作性能を向上させる上でのボトルネックが生まれてしまう。例えばCXLを利用可能なストレージを使用することが重要になる。メモリ側の処理が高速化すれば、ストレージにも相応の高速性が求められるようになるのは自然だ。
業界団体CXL Consortiumは、新世代となる「CXL 3.0」の仕様を2022年8月に公開した。仕様が公開されたからといって、すぐに各種ハードウェアがCXL 3.0に準拠するようになるわけではない。各種ハードウェアがCXL 3.0に準拠し始めたら、今度はシステム側の設計変更が必要になり、それにも時間が必要だ。CXL 3.0が主流になるとしても、2022年の発表から何年も掛かる。
採用までに時間が掛かることをプラスに捉えれば、IT管理者には時間的な余裕がある。CXL 3.0の採用が本格化するまでに、十分な時間を確保してCXL 3.0を理解しておこう。
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