ソリッドステートストレージ大手のSamsung Electronics(以下、Samsung)とWestern Digital(以下、WD)が、複数のストレージ技術規格の統一に向けて協業すると明らかにした。まずは、Zoned Storage*)ソリューションから着手するようだ。
*)Zoned Storage:データセンターをゼタバイトのストレージ容量の時代に合わせて効率的に拡張できるようにするための、オープンソースの標準ベースのイニシアチブ(WDのWebサイトから引用)
両社は今回、基本合意書(MOU)を締結したことにより、次世代の「データ配置、処理、ファブリック(Data Placement, Processing, Fabrics:D2PF)」ストレージ技術の標準化と普及に向けた幅広い取り組みの一環として、Zoned Storageソリューション向けのエコシステムを構築していくという。
新技術導入に伴う「断片化」を阻止
Samsungのメモリプロダクトプランニングチーム担当バイスプレジデントを務めるCheolmin Park氏は、米国EE Timesのインタビューに応じ、「Zoned Storageは、アプリケーションによるストレージデバイス性能の活用方法を根本的に変えることになると期待されている。また、これまで低コストでは不可能だとされてきた、新たなレベルの性能実現のチャンスを開くことになるだろう」と述べている。
Park氏は、「現在、幅広い分野の顧客企業から、Zoned Storageに対して多くの関心が寄せられている。SamsungとWDの機器メーカーのパートナー各社は、技術の評価、統合を進めているところだ。しかし、これまで標準ストレージデバイスモデルが存在しなかったため、ベンダー各社はSSDのZNS(Zoned Namespaces)規格などをはじめ、さまざまな異なる規格を実装してきた」と述べる。
また同氏は、「SamsungとWDは、今回のMOUにより、断片化が加速する要因となっている“標準化とデバイス規格間のギャップ”を埋めることができ、新しい技術に対する注目度を高められるようになる。また、標準化によって、エンドユーザーに対し、『これら新技術は、複数のデバイスメーカーや垂直統合型ハードウェア、ソフトウェアエコシステムなどによってサポートされている』という信頼を与えることができる」と述べている。
「今回の協業は、ベンダー各社間におけるユーザーエクスペリエンスの一貫性を確実に高めるとともに、新技術の導入に伴って発生し得る断片化を防ぐことが目的だ」(Park氏)
MOUによれば、新たに標準規格団体を設立する予定はないという。その代わりに、SamsungとWDは、システム/アプリケーションスタックのメーカー各社に対し、SNIA(Storage Networking Industry Association)やLinux Foundationのイニシアチブへの参加を推奨するという。Park氏は、「われわれは、『SNIA Zoned Storage Technical Work Group』を設立しており、既にZoned Storageデバイス関連の汎用ユースケースの他、ホスト/デバイスアーキテクチャやプログラミングモデルなどを定義、規定している」と述べる。
両社は、必要なソフトウェアライブラリやカーネル拡張、ツールなどをオープンソースコミュニティーに提供しているところだという。それをLinux Foundationの共同プロジェクトで採用することにより、業界パートナー間の連携やベストプラクティスをさらに加速させていきたい考えだ。
からの記事と詳細 ( SamsungとWD、次世代ストレージ技術標準化に向け協業 - EE Times Japan )
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