韓国Samsung Electronics(サムスン電子)と米Western Digital(ウエスタンデジタル、WDC)は、次世代ストレージ技術「D2PF:Data Placement, Processing and Fabrics」の標準化や普及に関して協業する旨のMOU(Memorandum Of Understanding)を交わした サムスン電子のニュースリリース:英文 WDCのニュースリリース:和訳 。まず、D2PFの1つである「Zoned Storage」に焦点を合わせて、そのエコシステムの構築に力を注ぐ。
Zoned Storage 紹介ページ は、エンタープライズやクラウドなどのアプリケーションに向けた次世代ストレージ技術で、ホストとストレージが連携することによって、より大容量・高スループット・低レイテンシーのストレージシステムの実現を目指している。すでに両社はZoned Storageに関して、インターフェースの策定やLinuxカーネルにおけるZoned Storageデバイスのサポート、ツールやライブラリーの提供を行っている。
例えば、Shingled Magnetic Recording(SMR)のHDD(Hard Disk Drive)に向けてZBC(Zoned Block Commands)やZAC(Zoned Device ATA Commands)インターフェースを定義した。また、SSD(Solid State Drive)向けにはNVMe ZNS(Non-Volatile Memory express Zoned NameSpaces)を定義した。両社はZoned Storageの製品も開発している。例えば、サムスン電子はNVMe ZNSに準拠したSSD「PM1731a」を21年6月に発表した ニュースリリース 。一方、WDCはNVMe ZNSに準拠したSSD「Ultrastar DC ZN540」を20年11月に発表している ニュースリリース 。
さらに両社は、SNIA(Storage Networking Industry Association)に対してZoned Storage TWG(Technical Work Group)の結成を提案し、21年12月に承認を受けた。このTWGは、現在、アーキテクチャーや仕様、ユースケースの策定を進めている。今回のMOU交換もこうした活動の延長上にある。今後、両社はZoned Storage以外のD2PFにも活動を広げる。例えば、コンピュテーショナルストレージやNVMe-oF(NVMe over Fabrics)を含むストレージファブリックを想定するという。
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