伝統船継承に期待
八重山の伝統的な漁船「帆かけサバニ舟」の船舶保管施設がこのほど完成した。八重山漁業協同組合(上原亀一代表理事組合長)が「石垣市まちづくり支援寄附金」を活用し、新栄町の石垣漁港内漁船修理施設北側に建設。関係者らは「造船、帆走技術を後世に伝える施設になれば」と文化継承の機能に期待を寄せている。
帆かけサバニ舟は長さ5~10㍍前後の木造船体に帆を立てた櫓櫂船。現在の動力漁船が普及する前の時代に活用され、当時の漁業者の生活を支えた。
八重山帆掛サバニ愛好会(仲田森浩会長・14人)によると、造船技術・帆走技術の継承者が年々減少。同会は5艇のサバニを所有しているが格納施設がなく、野ざらしでの保管となっていたため、台風や水害による損傷が危惧されていた。
今回新設された保管施設は計8艇のサバニ舟が格納可能。施設内では外的損傷を受けず、船体の修繕も容易となる。
同会の仲田会長は「昔の技術者が造ったサバニをいつでも見られるようになったのは大きな進歩。造船技術の保存につながる」と語った。
同会は今後、地元学生や一般市民を対象にした体験教室の実施を予定しており、帆走技術の継承活動に取り組む。仲田会長は「興味を持った人がいつでも利用できることが重要。技術を引き継ぎ、活用していける文化拠点になれば」と期待した。
施設は鉄骨造平屋建て128平方㍍。建築総費用2616万5000円のうち、同寄附金2378万9000円を活用した。八漁協から委託を受けた同会が管理を行う。
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