全国の米軍基地内で人体に有害なポリ塩化ビフェニール(PCB)を含む機器が残っている問題で、米軍キャンプ・シュワブ内で見つかったPCB含有の蛍光灯用安定器約280キロを防衛省が新たに引き取ったことが22日、同省への取材で分かった。濃度は特定できず、高濃度廃棄物として取り扱う。沖縄県内発生分を処理する北九州市の高濃度PCB処理事業所は3月末で閉鎖するため、処分は間に合わない。処分方法が決まるまでシュワブ内で保管する方針。
全国の米軍基地内に含有廃棄物が残され、防衛省が引き取って処分を肩代わりしていることが、問題となっている。木原稔防衛相は2月27日の記者会見で「防衛省が実施した米軍施設・区域内の工事では、これまでのところ、新たな高濃度PCB廃棄物は確認されていない」と答えていた。
防衛省によると、シュワブで実施する再編工事の一環で、解体を進める中で見つかった。防衛省が廃棄物を引き取り、PCBが含まれているかどうかの仕分けを業者に依頼。3月13日に沖縄防衛局が業者から含有していると報告を受けた。
防衛省は「今後、環境省で適切な処理方法が確立されるまでの間、発見された施設内で保管する」と述べた。
北九州市の事業所の閉鎖に伴い、日本政府は沖縄を含む西日本地域で新たに高濃度PCB廃棄物が見つかった場合、事業終了が2026年3月となっている北海道室蘭市の処理施設での処分を検討していると報じられたが、環境省は道や市に米軍分の持ち込みは否定した。
(明真南斗)
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